石狩「番屋の宿」、土地建物公売4回も入札なしとの記事を見かけ、ちょっと寂しくなりました。10年以上放置された建物はどんどん過去の輝きを失い、朽ちていくのを待つしかないのでしょうか。
石狩市の日帰り温泉施設「番屋の湯」に併設されていた宿泊施設「番屋の宿」。「番屋の湯」は1995年に石狩市が開業し、1999年に「番屋の宿」が併設され、宿泊も可能となりました。日本海を一望でき、温泉に入りながら夕日が見られる場所として人気もあったようでしたが、2000年以降は利用者が低迷、その後の2010年10月に一度閉館しました。
「番屋の湯」はその後再開しましたが、「番屋の宿」は再開業することはありませんでした。
番屋の湯の公式サイトはこちらです。

「番屋の湯」と「番屋の宿」運営について
「番屋の湯」入館者は、1997年度の52万人をピークに年々減少し、2005年度は約33万人となり、「番屋の宿」への宿泊者についても、オープンした1999年度の2.3万人から2005年度は1.6万人まで減少しました。そのため、石狩市は「石狩温泉番屋の湯」を売却するとともに、番屋の湯の指定管理者であり、「石狩温泉番屋の宿」を経営する第三セクター「株式会社石狩振興公社」の株式を「株式会社ケアコミュニケーション」に譲渡することを正式に決定しました。
2007年「えりの湯」としてリニューアルオープンしました。隣に「番屋の宿」があり、番屋の宿とえりの湯は地下通路でつながっていましたが、2009年3月に運営会社が変わり、もとの「番屋の湯」に戻りましたが、2010年10月に閉館しました。
その後、2014年3月から石狩リゾート(民間企業)が運営しましたが、同年9月末に閉鎖され、その後、「株式会社M&Sスパ・プロジェクト」により11月に再開されました。そして現在「株式会社M&Sスパ・プロジェクト」が運営しています。
もともと「番屋の湯」と「番屋の宿」はセットで楽しむために計画されたものだったと思いますが、計画がちょっと甘かったのか、「番屋の湯」はその後も運営会社の変更はあったものの、市民の憩いの場として、海水浴客や観光客の癒しの場として親しまれているようですが、番屋の宿は日の目を見ることはありませんでした。
番屋の宿は「違反建物の疑いで休館中」となっている
休館や公売に至った背景には、建築基準に関する問題や権利関係の複雑さなど、さまざまな要因が取り沙汰されています。真相は定かではありませんが、隣接土地の利用や権利問題が影を落としているとすれば、単なる建物の老朽化以上に解決のハードルが高いことが伺えます。
番屋の宿を復活させるためのハードル
仮に「建築上の問題(日照権や違反建物の疑問)」や「土地・建物の権利関係」がクリアできたとしても、10年以上放置された建物を再利用するには大きなハードルがあります。
- 膨大なリノベーション費用
配管や内装の全面改修が必要になります。 - 採算性の壁
冬場の集客維持と高額な維持管理費の問題をクリアしなければいけません。
これらを考えると、単に「昔の宿泊施設としてそのまま再開する」という方法では、民間企業の参入が難しいのも頷けます。
それでも「番屋の宿」に期待したい再生アイデア
すぐ目の前には夏の海水浴場で賑わう「あそびーち石狩」があり、お隣の「番屋の湯」は今も多くの人に愛されています。この立地を生かした新しい形での再生なら、可能性があるのではないでしょうか。
- グランピングやワーケーション拠点
建物全体を豪華なホテルにするのではなく、アウトドア需要に合わせたコンテナハウスやグランピング施設、またはワークスペース併設型の宿泊施設にリノベーションする。 - 「あそびーち石狩」との完全連動
夏場のアクティビティ拠点や、夕日を楽しむ滞在型観光スポットとして「番屋の湯」とセットで再ブランディングする。
過去の形にこだわらない新しい未来へ
4回の公売で入札がないという厳しい現状ではありますが、ただ解体されて消えてしまうのは非常に寂しいものがあります。
そのままの形で「番屋の宿」が復活するのは難しいかもしれません。しかし、時代に合わせた「新しい滞在の形」として生まれ変わり、再び石狩浜エリア全体が賑わう日が来ることを願ってやみません。


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