北海道はもともとアイヌ民族が暮らしていたため、市町村名はアイヌ語に由来している名前が多数を占めます。アイヌ語地名については解釈が難しく、諸説あるものが多く存在しています。その中でも、ここでは各市町村の見解を尊重し、各市町村公式サイトから引用するようにしています。市町村の公式サイト内にある概要や、資料のPDFなどもチェックしました。また、市町村の公式サイトに見当たらない場合はWikipediaなどを参考に、個人的見解も含めながら探っています。引用元に関しては()にて表示しています。
留萌振興局
留萌市
アイヌ語のルルモッペが語源。ルルは(汐)モは(静)ヲッは(ある)ペは水)のこと。
「汐が奥深く入る川」という意味で、留萌市を流れる留萌川から名づけられている。(留萌市公式サイト「留萌市の概要」より)
留萌川は過去に幾たびとなく氾濫を引き起こし、昭和63年には市街地が陸の孤島になるほどの被害に見舞われましたが、幸い洪水による負傷者を出すことなく、被害を最小限に食い止めることができました。その後、洪水を貯めて下流河川の増水を抑えるため、留萌ダムが建設され平成22年に完成しました。
増毛町
増毛町の町名の由来は、鰊(ニシン)が群来(くき)ると海一面にかもめが飛ぶことから、アイヌ語で「かもめの多いところ」という意味の「マシュキニ」又は「マシュケ」が転じたものであるといわれています。(増毛町公式サイト「増毛町の歴史」より)
増毛の町を歩いていると、昔の漁師たちの掛け声が聞こえてきそうな気がします。
小平町
小平町は、明治維新後の 1870(明治 3)年に山口藩が開拓に着手する以前から、場所
が設置され、庄内藩士農職人が移住するなど、江戸時代から本州の人が入っていたまち
である。1880(明治 13)年に鬼鹿村、天登雁(てんとかり)村戸長役場が設置され、1906(明
治 39)年に2級町村として鬼鹿村が独立。1919(大正 8)年に2級町村として小平蘂村が独
立したのち、1948(昭和 23)年 1 月 1 日に小平村と改称。1956(昭和 31)年 9 月 30 日小平
村と鬼鹿村が合併し、1966(昭和 41)年 9 月 1 日に町制を施行し、小平町となった。小平
の語源は、アイヌ語で「河口に崖がある川」を意味する「オ・ピラ・ウシ・ペツ」より
転訛したものである。(小平町公式サイト「重要文化財(建造物)旧花田家番屋(北海道留萌郡小平町)保存活用計画の策定について 1(PDF)」より)
上記資料の「第1章 計画の概要1-1 小平町の概要」に上記文章が含まれていました。
苫前町
苫前町は、苫前の地名の由来が「トマオマイ」toma-oma-i(エゾエンゴサク・ある・もの(場所))とアイヌ語から由来していることからもアイヌ民族と深い関係にあり、苫前町にはアイヌ民族の関連資料が多くあります。(苫前町公式サイト「苫前町の宝ガイドブック(PDF)」より)
上記ガイドブックの⑪ アイヌ民族関連資料(苫前町考古資料館)の欄に上記文章が掲載されていました。
羽幌町
「羽幌」は、アイヌ語の「ハポロペツ」が語源といわれ、「広大な川の流れる地」の意を含んでいるといわれています。(羽幌町公式サイト「まちの概要」より)
広大な川とは羽幌川ですかね。地名の由来を調べると、今と昔の地形がどのくらい変わっているのか気になります。
初山別村
「初山別/しょさんべつ」はアイヌ語で「ソウサンベツ/滝が・そこで・流れ出ている・川」の意から転訛したものと言われています。(松浦地名解/アイヌ語地名普及会)なお、他の地名解としては更科地名解の「シュシュ・サム・ペツ/柳原の近くの川」などがあります。
注:これまでは「しょさんべつ」の地名解は4通りの説がありましたが、平成12年からは標記のように表示することとしています。(初山別村公式サイト「初山別村の概要」より)
Wikipediaによると幕末・明治の探検家松浦武四郎が同地について「ソウサンベツ。滝落ちる義なり」と著述しているとなっていることから昔は滝があったのかもしれないですね。初山別村と言えば金毘羅神社の鳥居に沈む夕日は一見の価値ありです。
遠別町
北海道蝦夷語. 地明解によると、ウイェペツ. 「相和する川」となっている。(遠別町公式サイト「議会の概要」より)
毎年更新される「議会の概要」の目次のページに掲載されています。相和するとは川を擬人化しているのでしょうか。人が親しく話をする様を表しているのでしょうか。
天塩町
天塩町は、アイヌ語で「テシュ」から転訛したものと言われ、ヤナ(水中や木・竹・杭等を並べ水流を堰塞して、魚を捕獲する仕掛け)の意を含んでいるといわれている。(天塩町公式サイト「天塩町の概要」より)
天塩川は北海道で2番目に長い川です。ここでいう梁とは魚を捕る仕掛けのような岩のことでしょうか。地名の由来を調べているといろいろな疑問が次から次へとわいてきます。
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