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北海道の港「重要湾港」

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石狩湾新港

北海道の港は35。内訳は「国際拠点港湾(旧 特定重要港湾)」2港、「重要湾港」10港、「地方湾港」23港。ここでいう港とは港湾法が適用されるものを言います。その他、漁港(漁港は漁港漁場整備法に基づく港として港湾法が適用される港とは区別されています )は平成31年4月1日時点の数は243港あります。今回はその中で北海道の「重要湾港」港10港を紹介します。 

重要港湾

「重要港湾」とは、国際戦略港湾及び国際拠点港湾以外の港湾であつて、海上輸送網の拠点となる港湾その他の国の利害に重大な関係を有する港湾として政令で定めるものをいい(港湾法2条2項より)、全国に102港存在する中で北海道には10港あります。

函館港

管理
函館市
郵便番号
040-8666
住  所
函館市東雲町4番13号
TEL
0138(21)3490

函館港は渡島半島南端に位置し、津軽海峡に面した岬によって形成された良港です。室町時代前期頃から本州の商船が利用し、1859年修好条約の締結により、横浜・長崎とともに我が国最初の外国貿易港として開港して以来、海の玄関口として本州との連絡など、流通拠点として発展してきました。

明治新政となり、函館は連絡船による本州と北海道を結ぶ交通の要衝として、経済・
文化の中心地となりました。その基盤となったのが北洋漁業です。しかし、第2次世界大戦敗戦を迎えて、北洋漁業は壊滅し、函館は大打撃を受けたましたが、その後北洋漁業再開、町はにわかに活気づきました。しかし1954年、瞬間風速 55mの台風 15 号により、客船洞爺丸外 4 隻の貨物船が沈没、タイタニック号に次ぐ大惨事を引起し港内や街並は、荒廃した姿を見せました。これによりに青函トンネル工事の計画が具体的に動き出し、1988年3 月に、青森~函館間が海底で結ばれたのです。こうして函館港は港はこだてというイメージが失われていきました。

しかし2014年の弁天地区の岸壁の一部完成に伴い、函館市国際水産・海洋総合研究センターが開業し、流通の円滑化を図るため整備を進めていた臨港道路が2016年度に全線開通となりました。さらに函館港は、災害時における緊急物資輸送拠点としての機能強化や中心市街地の活性化に寄与する大型クルーズ船受入環境整備など、地震等への対応や、豊かな観光資源を生かした国際観光都市と一体となったみなとづくりの展開を推進しています。

小樽港

管理
小樽市
郵便番号
047-0007
住  所
小樽市港町4番2号
TEL
0134(23)1107

小樽港は北海道西部の積丹半島東側に位置し、北海道における政治・経済の中心地の札幌札幌市までは約40 kmの距離にあり、日本海側流通拠点港として重要な役割を担っています。

1869年に明治政府が開拓使を設置し、蝦夷地を北海道と改称して本府建設を札幌に定めると、小樽の港は北海道開拓のための海陸連絡地となり、石狩炭田の開発に伴い、手宮~札幌間に鉄道が敷設されたことにより、石炭の積出港として整備され、北海道の開拓の拠点として今日まで発展してきました。その後、エネルギー革命により主なエネルギー資源が石油に転換したことや太平洋側の経済発展などの影響を受けて、一時的に減勢を余儀なくされてきましたが、長距離フェリーの就航により港湾取扱貨物も次第に増加し、ウォーターフロントの整備として、マリーナの供用を開始、運河を活用した緑地等、小樽築港駅周辺の再開発などの整備を進めており、今後も蓄積された港湾機能を生かした発展が期待されます。

釧路港

管理
釧路市
郵便番号
084-0914
住  所
釧路市西港1丁目100番17号
TEL
0154(53)3371

北海道釧路市にある24時間運用の国際港湾で、国土交通省より、穀物の国際バルク戦略港湾に選定されています。また、日本有数の食糧基地である東北海道地域の流通拠点港として、地域の暮らしと産業の両面において重要な役割を果たしています。

1899年に開港、1951年に重要港湾に指定されました。昭和30年代から昭和50年代にかけて世界最大の水揚げ量を記録する漁港として有名でしたが、もともとは北海道東部開拓のための物流拠点として設置された港です。

港湾エリアは新釧路川を挟んで東港区と西港区となっており、古くから水産・石炭・紙パルプの3大基幹産業が盛んで、港湾もひがし北海道の流通拠点港として発展し、戦後復興の日本経済の拡大とともに取扱貨物が増大したことから、従来の東港区にくわえ西港区へと発展してきました。国内外との貿易実績の大幅な伸長を受け、1969年より西港区の建設に着手し、1976年の第1埠頭の完成に次ぎ、第2・第3埠頭を順次整備しながら着実に施設を拡充し、2002年には東北海道で唯一の-14メートル岸壁を有する第4埠頭の供用が開始されました。また、2011年には国際バルク戦略港湾の穀物の分野で選定され、2018年に全国で最初となる国際バルク戦略港湾の施設整備が完了し、2019年からは釧路西港開発埠頭(株)による運営が開始されました。

一方東港区では、物流・漁業機能に加え、釧路フィッシャーマンズワーフを中心とするウォーターフロント空間の形成が推進されているほか、平成23年に道内最大規模の耐震旅客船ターミナルが供用を開始しました(貨物専用フェリー、専用貨物)。

留萌港

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管理
留萌市
郵便番号
077-0041
住  所
留萌市港町3丁目71番地
TEL
0164(42)4272

留萌港は留萌地方の他、旭川市を中心とする上川・空知の産業・生活物資の物流拠点としての役割、日本海を漁場とする沿岸漁業の基地としての役割を担っています。 

1910年留萌港の修築に着手し、1929年に南防波堤、1931年に北防波堤が完成しました。留萌港周辺地域では炭田開発が進み、石炭の積出港としての機能を充実させるため、最新式の石炭積込機(ローダー)が南岸と北岸に設置され、1936年には「国際貿易港」に指定されました。しかし、周辺炭鉱の閉山やエネルギー需要の変換などから留萌港は古丹浜地区や三泊地区に大型岸壁を整備し、流通拠点港としての機能強化を図っています。

稚内港

管理
稚内市
郵便番号
097-8686
住  所
稚内市中央3丁目13番15号
TEL
0162(23)6161

稚内港は、1957年、我が国最北の重要港湾に指定され、道北の産業や生活に関わる物流の拠点であるほか、沿岸漁業や沖合漁業の基地、利尻島・礼文島やロシア・サハリン州との間をフェリーや旅客船で結ぶ連絡港としての役割を果たしています。
稚内港は漁業開拓により魚介類の搬送を行ったのが始まりとされています。明治に入り北海道北部開拓の玄関口として発展、日露戦争により日本が南樺太を領した際には樺太への最短航路の拠点として利用されてきました。戦後樺太との往来は途絶えましたが北洋漁業基地や天北石炭の積出港として、また利尻・礼文島への 稚内港では、総合的な市街地活性化対策発着地としての需要が続き、1974年「利尻礼文サロベツ国立公園」に指定されると、観光客の利用が急増しました。現在「稚内マリンタウンプロジェクト」に基づき、みなとを中心とした再開発が進められています。
また、従来からの漁港区としての役割や石油関連の移入、サハリンプロジェクトなどの資材の一時保管場所としても国内外を結ぶ海の玄関口として重要な役割を果たしています。

十勝港

管理
広尾町
郵便番号
089-2692
住  所
広尾郡広尾町会所前6丁目2番地
TEL
01558(2)0185

十勝港は「農業王国十勝」における唯一の海の玄関口であり、本州の主要な港湾とを結ぶ海路の最短距離に位置し、その背後圏には帯広を中心とした日本有数の食糧基地「十勝」を有しています。

1929年広尾港改修工事に着手され、1951年には非難港に指定され、1959年には地方港湾に昇格、1965年広尾港を「十勝港」に改名、1970年には重要港湾に指定され、更に流通の拠点港として十勝港の整備が進められてきました。十勝の農業は北海道における農業生産の約4分の1を占め、取扱貨物の約7割を農業関連品が占め、背後地域の基幹産業である農業を支える流通拠点としての役割を担っています。小麦・馬鈴しょなどの農作物を首都圏などへ積出、化学肥料・飼料・セメント・石炭などの受け入れを行う流通拠点として、取扱貨物量も安定的に推移しています。
1999年には関税法に基づく『開港』の指定を受け、現在も大型化・国際化する海上物流に対応する国際貿易港として、また広尾町の水産基地として、港湾機能の整備、拡充が進められています。

石狩湾新港

管理
石狩湾新港管理組合
郵便番号
061-3244
住  所
石狩市新港中央1丁目202番地
TEL
0133(64)6661

「石狩湾新港地域」は、石狩湾新港を核として発展する札幌圏の生産物流拠点で、国、北海道、小樽市、石狩市、石狩開発(株)が共同で開発を進めています。

石狩湾新港地域の開発は、北海道開発の一大プロジェクトとして、道央圏における新たな流通と生産機能を分担する拠点港を目指し、港の建設と背後地域の開発が決定されました。当初、北海道が単独で港湾管理者となり石狩湾新港の管理運営を行っていましたが、1973年、重要港湾の指定を受け、国直轄事業として本格的に港湾整備が始まったことなどから、石狩湾新港の建設と背後地域の開発をより有機的かつ強力に推し進めていくため、1978年から、北海道、小樽市及び石狩町(現石狩市)の三者による石狩湾新港管理組合が設立され、今日に至っています。
港は5つの地区(東地区・中央地区・花畔地区・樽川地区・西地区)に分かれており、リサイクル関連、エネルギー供給、コンテナ航路、各種貨物の物流基地といった役割を担っている国際貿易港で、流通港湾としてだけでなく、災害時における緊急物資輸送拠点として広域的な防災機能強化に向けて連携を図っています。

紋別港

管理
紋別市
郵便番号
094-8707
住  所
紋別市幸町2丁目1番18号
TEL
01582(4)2111

紋別港は、宗谷岬から知床岬まで弓状に連なるオホーツク海沿岸のほぼ中央部に位置し、天然の良港として、古くから漁船の避難港、物資輸送の海運港として利用されてきました。

紋別港の整備は1923年に南・北防波堤など港湾建設に着手し、途中、北海道第二期拓殖計画の策定による計画の一部変更を伴いながら、1930年度に完成、1931年には、航行する船舶の安全確保を図るため北防波堤灯台も設置され、終戦に到るまで北九州や北千島と本州を結ぶ物資中継港として利用されていました。戦後、漁業規模の拡大による食糧増産の要請や商港としての機能拡大を図るために、港湾の改修と拡張に着手し、1950年以降は地方港湾として港湾法に基づき整備推進されることになり、1975年の重要港湾への指定を契機に商港としての整備が進められ、2002年には多目的国際ターミナルの拠点施設となる岸壁が供用され、大型国際貨物船への対応が可能となり、石炭の輸入港として物流効率化に貢献しています。
一方、流氷の南限としての魅力を活かし、流氷の開発・利用を掲げて「流氷都市拠点地域」としてさまざまな施設や空間の整備を進めてきました。1996年に氷海域の海洋科学観測研究施設である氷海展望塔(「オホーツクタワー」)や海上を散策できる第3防波堤(「クリオネプロムナード」)を、次いで流氷砕氷船・ガリンコ号2の就航(1997年)、人工海水浴場(「ホワイトビーチ」)、野生アザラシの保護・観察及び体験をテーマとする施設(「ゴマちゃんランド」)(以上1999年)と供用し、各種イベントやスポーツに多目的利用が可能な公園整備もほぼ完了し、流氷観光拠点や市民の憩いの場としても利用され、季節を問わず多くの利用者が訪れています。2014年にみなとオアシスへ登録、2018年8月にはSea級グルメ全国大会が開催されるなど、みなとを通じた地域の活性化に取り組んでいます。

網走港

管理
網走市
郵便番号
093-8555
住  所
網走市南6条東4丁目
TEL
0152(44)6111

網走港はオホーツク海に面し、網走市、北見市を中心とするオホーツク地域東部を背後圏とし、この地域で営まれる消費、生活等の諸活動や生活に関わる物流を支える港湾として、また、沖合、沿岸漁業の基地として重要な役割を果たしています。

網走港の整備は1919年の避難港修築に始まり、1978年の重要港湾への指定を契機に、本格的な整備が進められました。1993年には大型国際貨物船の対応が可能となり、背後圏で生産される甜菜糖の生産に必要な石炭の輸入港として利用されて、2014年2月に小麦の集出荷能力が1.5倍に増強されたことにともない、オホーツク産小麦を全国に向けて移出し、食料供給基地として重要な役割を果たしています。
また、2009年に流氷観光砕氷船の発着ターミナルを兼ねる「みなと観光交流センター」が整備され、流氷観光を目的とした観光客が多く来訪するようになり、旅客船や流氷観光船の発着場になっているなど、観光振興の役割も担っています。

根室港

管理
根室市
郵便番号
087-0041
住  所
根室市常磐町2丁目27番地
TEL
01532(3)6111

根室港は、北海道最東端の納沙布岬のある根室半島に位置し、オホーツク海側の根室港区と太平洋側の花咲港区からなり、北方海域を対象とする漁業基地及び根室市を中心とする生活関連物資の流通拠点港として重要な役割を果たしています。
明治中期に、現在の根室港区の波止場の整備から本格整備が始まり、その後も着々と港湾機能を拡充、1978年、根室港(現在の根室港区)と花咲港(現在の花咲港区)が分港化し、根室港として重要港湾に指定されました。
サンマの水揚げが日本一を誇るなど、全国有数の水産物供給拠点で、更には根室市などの北方領土に隣接する自治体では、1992年から継続して行われている北方領土との「ビザなし交流」をはじめとするロシアとの交流を通じた地域振興に力を入れ、根室港はロシアとの玄関口として、重要な存在となっています。

重要港湾(国際戦略港湾、国際拠点港湾も含む)

重要港湾(国際戦略港湾、国際拠点港湾も含む)は港湾計画を定めなければならず、計画を変更する際は所定の手続きを踏む必要があります。また、整備等に関しても都度所定の手続きが必要となりますが、整備費用に係る国庫補助金は地方港湾と比べて、高率に設定されています。

重要港湾(国際戦略港湾、国際拠点港湾も含む)や地方港湾に関しては時代とともに変動し、利用実態との乖離などの理由で地方港湾に格下げされたり、地方港湾から重要港湾に昇格するなどの見直しが図られているようです。北海道では2000年4月に石狩港が重要港湾から地方港湾へ格下げされています。

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